地方と東京、普段着と正装――Legendコンに行ってきました

A.B.C-Z Summer Concert 2014 "Legend"、名古屋の9/9,9/10公演、東京の9/14公演に行ってきました。
追記から雑感です。レポではないです。ネタバレあるので、一応畳みます。
私はこれまで、私がファンになった時には既に当然のように東京ドーム公演だとか5大ドームツアーだとかをやっているグループばかり好きになってきました。故に、私の中でのコンサートの基準は「東京ドーム」であり、その他はスタジアム、一番小さくて横浜アリーナにしか入ったことがありませんでした。
だから、正直名古屋に行く前は少しだけ不安でした。ムービングステージはおろかトロッコすらも通れない、ステージも1つしかないコンサートなんて体験したことがなかったから。
私は東京ドームでの派手な、そして縦横無尽にステージやトロッコで移動する演出に慣れきっていたから、それがないコンサートで果たしてどのくらい楽しめるのか、と。
今回のツアーは元々東京公演だけで多ステにしようかと思っていたんですけど、ちょっと二日目に予定が入って行けなくなるかもしれなくて、でも多ステはしたいから名古屋に行こう、とそのくらいの気持ちでした。本命は、規模が大きくて演出の幅が比較的広い代々木、と思っていました。

そんな心配は杞憂だったと、9月9日の名古屋公演の幕が開いてすぐに思い知らされることになりました。
大きなセットが使えないことを逆手に取った、「ロック」をテーマにしたホール限定の構成。OPからかっこよさを前面に出して、でもハッピーハッピーみたいに楽しいところは全力で楽しい方に振り切って、コントもあって、今まで演じたキャラも出てきて、客席も余すところなく上から下まで行ってくれて、お客さんとのやりとりも沢山あって……。最初の心配なんてすぐにどこかに飛んで行ってしまいました。
とにかく楽しい。純粋に、楽しい。私の見たいA.B.C-Zがそこにありました。
お客さんのマナーもよくって、皆ノリノリで沢山声出してて、彼らもそれに応えて。こんなに一体感のあるコンサートは初めてでした。

そんな楽しかった、アットホームだった名古屋を終えて、今日から始まった代々木公演。
やっぱり楽しかった。本当に心から楽しかった。でも、名古屋とは少しだけ違うなって思った。
それは演出面は勿論そうなんだけど、演出の変更点の意図とか、お客さんの雰囲気とか……。

例えるならば、地方公演は「普段着」。東京公演は「正装」。そんなイメージでした。
地方公演は、本当にえびが好き!って層が多くて、色んな所から遠征してくる本気のファンの人が多かったと思う。地方は、基本的に「A.B.C-Zとファンの為の空間」。中にはJr.のファンの子とかもいるけど、そんな感じ。
東京公演は、つくJr.も増えるからそのファンたちも増えるし、見学組のJr.もたくさん来るし、キャパが大きくてアクセスもいい分「友達に誘われたから…」とかって層もいるかもしれないし、何より色んな関係者とか偉い人とかメディアとか、彼らに注がれる目は多種多様なものになっていて。「彼らのことをよく知らない人」だってきっとたくさんいた。

だから、彼らはOPに巨大ブランコ、5STAR、5RingsというA.B.C-Zの代名詞的アクロバットを持ってきたんだと思う。あのアクロバット三連打は言わば、「こんにちは、僕たちがA.B.C-Zです」という名刺代わりなのだと感じた。「僕たちはこんなグループなんですよ、こんなことできますよ」と。

代々木のセットリストと演出は、かなり優等生的だったと思う。かっこいいところもあって、楽しいところもあって、大技で魅せるところもあって。構成で「おや?」と感じるところも全然なかったし、流石上手いなぁと思う。去年のtwinkleコンのDVDを見た時も思ったけど、メリハリもあるし変な繋ぎとかもないし、自然に楽しめる。
多分入ったのが代々木だけだったら、これだけの感想で終わってたと思う。

けど私は名古屋公演を見てしまったから。あのアットホームな空間を、演出を見てしまったから。
別にどっちがいいとか悪いとか優劣の問題じゃないんです。代々木でやるんなら今日のでかなり模範解答なんだと思うし、ホール公演での例えばキャラクター大集合的内輪ネタが代々木で通用するかは分からないし。代々木でしかできないこと、ホールでしかできないこと、彼らはきちんと使い分けていたと思う。

ただ私が少し寂しく思ったのは、ハッピーハッピーの時。
ホールの時はみんなバラバラの衣装で、バカンスみたいな感じでがちゃがちゃしてて皆いろんなところでいろんなことをやっていて。その感じがすごく楽しいし可愛くてお気に入りの演出でした。
でも代々木では、みんな白いかっこいい服を着て客席に手を振っていて。それだけ。からの、だるま落としチャレンジまでのつなぎ。
そうだよね、代々木は大きいから、メインステでぐだぐだしてても遠くて見辛い人多いしね……とは思うんですけど、やっぱり寂しいとは思ってしまって。
ホールのがちゃがちゃ演出は「ファンが見たいA.B.C-Z」であって、そうでない人にもそうか?と言われると分からないし、でも……という気持ちです。

他にも、コントが削られていてそれに伴ってキャラクター大集合もなくなって。五関さんのソロも、動きが大きくなってかっこよくなったんだけど、あの色気のある白衣装での骸骨との絡みがなくなったのもちょっとだけ寂しくて。そういえばBIG STARもやってないし、めちゃくちゃかっこよくて色気のあった五関くん戸塚くんのまいったネ今夜もなくなったし、客席との絡みも男性ファンの声を聞いたくらいしかなかったな……って。寂しいな、って思ったポイントを挙げるとちっちゃいのがぽつぽつ出てくるんですよね。

別に直してほしいってことじゃないんです。前述の通り、ホールで通用するものを代々木に持ってきてそのままウケるかなんて保証はないし、代々木は代々木でしかできない演出をたくさんやっていたし、花火とか炎とかめちゃくちゃかっこよかったし。
単純に、好みの問題なんだと思います。

そうそう、演出面だけじゃなくて、お客さんの雰囲気も少し違うなと思ったことがあって。
名古屋の時は、一人一人が声を出そう!盛り上がってこう!という人が多かった気がしたんですけど、代々木はそういうわけでもなかった気がします。
グッズとかうちわとか持ってるし、ファンなんだなってことは分かるんですけど、ちょくちょく座ってたり声はあんまり出してなかったり、うちわであおいでたり。楽しみ方は人それぞれなので別に文句を言いたいとかそんなことでは全然なくて、単純に、名古屋との空気の違いにびっくりしたんです。
A.B.C-Z LOVEみたいにお客さんも声を出すシーンでも、名古屋ほど大きく聞こえなかったな……とか、アンコールの声すごい小さかったな……とか(セットの照明もそのままだったんで絶対出てきてくれることはみんな分かってたと思うんですけど、でも「だったら声出さなくていいじゃん」って感じで形式すら放棄されてしまうのは、私自身もそうですし彼らも寂しいんじゃないかな……って思ってしまうんです)。
だから本当に、お客さんの層も違うんだなって強く感じたんです。

だからこそ、ホールはコアなファンを対象とした、見知った人たちでのコンサートだから「普段着」。代々木はライト層も楽しめるような、A.B.C-Zの王道的演出で勝負する「正装」。そんな演出に変わったのかなーなんて思ったりもします。

私は今まで、「会場は大きい方が楽しいもの、見応えがあるもの」と信じつづけてきました。「大きい会場でどんどんやってほしい」と思い続けてきました。でも、今回初めて同じツアーで規模の違う会場にそれぞれ入ってみて、そうとも言えないんじゃないかと思い始めています。
名古屋二日目の最後のあいさつで河合くんが言っていました。「代々木ではかなり演出が変わります。でも、私代々木行けないずるい、とか思わないで。ホールはホールで特別な日だから」と。今その言葉を実感しています。
それぞれ規模の違う会場で、それぞれに合った演出で、どっちがいいとか悪いとかじゃなくてどっちも特別な公演なんだなって。

「大きい会場の方が良い」という私の中の神話が揺らいできてしまったことで、彼らがこれから大きくなるにつれて、会場も大きいところでしかやらなくなるのではないか……ということに今初めて不安を感じています(笑)
色んなジャニオタの方が言っている、ドームだから遠くて寂しい、って気持ちが今初めて分かったような気がします。前述の理由もそうだし、やっぱりメンバーがすぐ近くに来てくれると嬉しいんですよね。

でも、今回のツアーで、特に塚田くんと河合くんが最後のあいさつで何度も言っていた「もっともっと大きい会場でやりたい」「東京ドームで絶対やる」ということ。
何だかんだ言いつつも、やっぱり、彼らにいつか東京ドームの景色も見せたいなぁって思うんです。その頃にはホールなんてやらなくなって、一番小さくてもアリーナとかになるのかもしれない。
その時にはきっと、「ドームだから遠くてちょっと寂しいね、でもえびなら絶対ドームも楽しいよね、ドーム公演嬉しいね」なんて喋りながら、後楽園駅を歩いてたりするのかなーなんて思います。
そしてその頃にはきっと今よりファンも増えてて会場内のファンの割合も増えて、大きいステージでも正装だけじゃなくてたまには普段着だって着て、みんなでドームの端から端まで駆けまわれるようになっているのかなって。そんなことを思う、代々木初日でした。

コンサート帰りのテンションなので、だらだらと要領を得ない文章ですみません……。
私の今年のえびコンはこれにて終了しましたが、また次のコンサートではどんなものを見せてくれるのか、どんな雰囲気になっているのか、今から楽しみです。
残り2公演、怪我なく大成功に終わりますよう祈っております!