二日目の夜

私の心は24日の夜のあの瞬間に置き去りにされていて、週末から週明けにかけての各番組等々が始まらない限り立ち上がって歩き出すことはできないと思っていた。この感情がなくなることが全く想像もつかなかったし今のこの感情をまだ手放したくないと思った。手放して、忘れていくのが怖かった。田口くんがいなくなるのが悲しいという気持ちをそのうち忘れるのが怖かった。今朝、次のがつーんで田口くんから話をしてくれると聞いて、あぁがつーん聞くまでは無理だな動き出せないなって思っていた。

今日は、色々なことがあった。

 

今日も授業が入っていないのでいつも通り家にひきこもって、そして昨日と同じように色んなツイートやブログを読み漁っては時折少し泣いていた。もう条件反射みたいだなと思った。青い瞳の千秋楽が素敵なものであるように願いながら、とりあえずやるべきことはやらなきゃなと思って、眠かったので(二日間深夜まで起きていたので普段よりも睡眠時間が少なかった)一旦寝てから24日以来放置していた卒論を再開しようと思った。

1時間くらい寝て、起きて、Twitterを開いたら、TLに「亀梨くん」「ファミクラ」の文字があった。何があったんだろうとすぐに色々ツイートを探して、何が起きたのか把握した。

 

私、亀梨くんの心が折れてしまうのが一番怖かった。ずっとKAT-TUNの「顔」として背負ってきた人。背負わされたんじゃなくて、背負ってずっとみんなの前に立ち続けた人。「KAT-TUN亀梨和也」であるプライドと誇りをずっと持ってきた人。彼はいつだって「KAT-TUN亀梨和也」として生き続けていたし「KAT-TUN亀梨和也」であり続ける彼のことが大好きだった。「KAT-TUN亀梨和也」をずっと信じてついてきた。だからこそ彼が折れてしまったら本当にもうダメかもしれない、って思いが心の底で少しだけちらついていた。でも本当に本当にダメならその時はもう無理してでも続けてなんて言えないと思っていた。

ごめんね、少しでも疑ってごめんね、やっぱりKAT-TUN亀梨和也はそんなにヤワじゃなかった。

 

プライベートでたまたま用事で事務所に来ていたという亀梨くんは、自らファミクラに顔を出して、その時にいた人たちに自分の口から話をして一人一人と握手をしたという。

「(自分を責めないで、とファンの方に言われ)自分を責めてはいないよ」「KAT-TUNとして謝る責任があるから」「ファンを悲しませるのが仕事じゃなくてファンを楽しませるのが仕事だから」「田口のこと尊敬してるし大好きだよ」「ドームでライブをするグループだから今後も隅でライブをするようにはなりたくない、ドームでライブをするグループでいたい」「ファンの人たちがいないと自分は何もできない、これからも応援してね」

そんなことを話していたと聞いた。私は実際にその場にはいなかったのでどんな表情でどんなニュアンスでどんなふうに喋っていたのかは分からない。でも、Twitterで流れてきたレポの中にあったこの言葉たちをただ抱きしめていたかった。

以前の記事で、私の見てきたKAT-TUNにはずっと消えない灯火があるように見えた、というようなことを書いた。灯火が消えてしまうかもしれないとベストアーティストの録画を見るたびに不安になっていた。でも、KAT-TUNという消えない灯火は確かにずっと今もそこにあり続けてくれたみたいだ。

発表されたコメントで、亀梨くんだけ「今」「4人のKAT-TUN」のことしか語らず、「応援してください」という言葉がなかったことも不安だった。

けれど亀梨くんはまだ諦めていない。ファンを楽しませるのが仕事だと言った。ドームでライブをするグループでいたいと言った。応援して、と言ってくれた。

アイドルに「応援してください」と言ってもらえることがこんなにも嬉しくて心強いことだったなんて、ジャニヲタを6年やっていて初めて知った。

KAT-TUNであり続けてくれるならライブ会場はどこだっていい、いてくれるだけでいい」と思っていた私はどうやら日和っていたようだった。ドームに、東京ドームにいるKAT-TUNが好きなんだ最強なんだって私はほんの6日前もいつものように友達に語っていた。私はまだ東京ドームでKAT-TUNにペンライトを振り続けたい。私はまだ東京ドームにいるKAT-TUNを2つのツアーでしか見ていない。

どうするのが正解なのかずっと分からなかった。どうすればもう3人が傷つかずに済むのかとずっと考えていた。KAT-TUNであり続けることが彼らにとって本当に幸せなのか、KAT-TUNでいてって懇願するのは場合によっては酷じゃないかとも思ってしまっていた。

でも、応援していい、ライブに行きたいと言っていい。KAT-TUNがまだ見たいと言っていい。亀梨くんにそう許された気がした。

悲しみをずっと持ち続けることしか選べなかった、この気持ちを忘れて隠して誤魔化すことが嫌だったのはほんの数時間前の朝のことだ。そのとき私はこの気持ちが少しでも晴れる日なんて想像できなかった。

でも亀梨くんは前を見てる。傷が癒えてるはずはないけど、納得はできていないと言っていたそうだけれど、この先の希望の道を考えている。明けることがないと錯覚しそうになっていた暗闇に光が差した気がした。ならばやっぱり私にできることは「KAT-TUNが好きだ」「KAT-TUNが見たい」そう声を上げることだと思った。少しずつ前を向いていいんだと思えた。私のツイートはあの瞬間以来ずっと陰鬱なものばかりだったけれど、今日の夜は久々に「!」をつけて呟けたし素直に他グループのいいニュースを祝うことができた。

 

それから間もなく、ジャニーズwebの「淳之介田口の話」が更新された。あの日以来誰も更新していなかったKAT-TUNのページ。今日彼は更新するだろうかと緊張していたけれど、更新してくれた。震える指先でこのページを開く日が来るとは思わなかった。

理由については発表時や報道と変わらないことしか書かれていなかった。

メンバーから説得があった。何度も悩んだ。そう書かれていた。

その間の仕事一つ一つは、メンバー全員がKAT-TUNのエンターテインメントを届けようという思いで全力で取り組んでいたことに偽りはないと。

もう壊れた涙腺も治っていくかと思ったけれど、「亀、ウエピ、中丸くん」の文字を見た瞬間にやっぱり涙が出た。全然治ってなかった。こらえきれるわけなかった。書きながらまた涙腺が壊れてることを自覚した。宜しくと言うそのKAT-TUNの中に、もう自分は入っていないんだね、田口くん。

この連載、そういえば4年も続いていたんだね。始まった時のこと覚えてるよ。あのころ、一緒に聖くんの「Ole!」の短期集中連載(のちに常設化)もあったよね。最初は週1回更新だったのを、ヤングサイドとアダルトサイドに分けて週2回更新にしてくれたよね。

「始めた当時の自分はまさかこんな文章を書くとは思っていなかったでしょう。」という言葉に、4年前の田口くんはこうなることをまったく考えていなかったんだなってことに、色々感情はあるけど一番は「よかった」だった。KAT-TUNが大好きでKAT-TUNでいることが楽しい田口くんは嘘じゃなかった。

「僕の宝物です。」に、ダメだった。また泣いた。泣いてる。ファンも週2回楽しみにしていたこの場所、宝物だって、過去形じゃなくてそう言ってくれるんだね。

結局田口くんがどうして辞めるのか直接的なところは分からない。尚更よくわからなくて今何が起きてるのか私は何でこんなに泣いてるのか時折よくわからなくなる。

それでも田口くんは今日もまた私の大好きなKAT-TUN田口淳之介だった。

連載だけど強制じゃないから今日更新しなくてもかまわなかった。いつも通りコーナーを始めることも選択肢としてあった。それでも田口くんは「今日は普通にお送りする気分にはならなかったので」と、辞める理由こそぼかしていたけれど、多くの人に向けた固い言葉じゃなくていつもの田口くんの言葉でメッセージを届けてくれた。

人によって色々な意見や思いがあると思うけれど、私は今日の田口くんの言葉でこれからもファンとして「4人のKAT-TUN」を春までまた見届けられると思った。いつも通り明るく楽しい連載じゃなくて、一度立ち止まって話をしてくれたから、この先のKAT-TUNの姿に置いて行かれずについていける、ついていこうと思った。タメ旅でいつものようにイジられたり体を張ったりしながら笑いあってる姿も、少プレでニコニコ笑いながらメンバーの話を聞いている姿もかっこよく歌い踊る姿も、がつーんで中丸くんと下らない話をしている様子も、受け止めて真っ直ぐ見ていけると思った。提供されたKAT-TUNの仕事としていつもみたいに楽しめると思った。とか言ってまだ本当に目にしたらダメでもう少し時間がかかると言い始めるかもしれないけど。そしてまた泣くかもしれないけど。多分泣くと思うけど。笑

 

私、基本的に、「あのときこうしてればよかった」「何であのときこうじゃなかったんだろう」ってぐちぐち後悔するのが嫌な人間で。起こってしまった事にはじゃあ今どうするかって考えるのが建設的だし後悔しても何も変わらないんだからって思っていた。

聖くんが抜けた時も悔しいし怒ったし悲しかったし寂しかったし引きずりはしたけど、最終的には自分の責任で招いたことだし仕方ないって思った。彼がKAT-TUNが大好きなのは知っていた、ずっと言っていた。私は時にKAT-TUNの自担と呼んだ上田くんを凌ぐレベルの勢いで聖くんが好きだと思う時もあった(担当にしようと思うことはなかったけど、自分の中の聖くんブームは強かった)。でもKAT-TUNでいられないかもしれない壊してしまうかもしれないリスクをとってまで彼自身が選んでしまったことがあるんだからって。5人のKAT-TUNは今でも大好きだしあの頃の聖くんを見て好きだな、かわいいな、かっこいいな、とは思うし今は今の場所で頑張ってほしいって思うけど、「今からでも戻ってきてほしい」とは一度も思ったことはなかった。

でもね、田口くん、今日の昼間思ったんだよ。今からでもいいから戻ってきてよって。彼が覚悟して決断したのは分かってる。でも田口くんがこの先のKAT-TUNにいないなんて嫌だよずっといてよって思った。戻らないことだと分かっていても思ってしまったんだよ田口くんにだけは。それくらい大きい存在だったってことだけは言わせて。

 

春までの猶予期間があることは双方にとってひどく残酷でもあるかもしれないけど、色々またこの2日で考えたけれどやっぱり私はよかったという結論に至った。私個人の思いだけど。だってあの日が最後だったらもう田口くんに大好きって言えなかった。ありがとうって言えなかった。今ならまだ言える。手紙も出せるしラジオにメールも送れる。最後を見守れる。

私、やっぱり何度考えても田口くんがKAT-TUNを心から嫌になって辞める、捨てるという気持ちで辞めるとは思えなくて。じゃあどうして、って、理由は推測することしかできないけれど。べスアで2曲歌い踊る時誰よりもKAT-TUNとしての仕事を全うしていた彼が、お別れまでの期間をくれた彼が、今日のじゅんたぐ話で「亀、ウエピ、中丸くん」と仲間を呼んだ、その3人のKAT-TUNをよろしくと言った、この連載を「宝物」と言った彼が、quarterの時大忘年会の前のトークでみんな変なテンションの中丸くんを無視しなきゃいけないのに一人だけすっごい笑顔だった彼が、キラリトで中丸くんと目を合わせて本当に楽しそうに笑っていた彼が、最後の挨拶で涙を流した彼が、全部嘘なんて到底思えない。私が信じたいだけかもしれない。でも私は担当じゃなかったけれど4年半見てきた田口くんを考えて、私はそう思う。思うことにした。私は信じる。

 

そして、タメ旅TwitterさんもKAT-TUNファン・タメ旅ファンにメッセージをくれた。私が願っていた「これから」、今できる範囲での一番欲しかった言葉だった。

少し話の時間軸は戻るけれど、今日の午前中はKAT-TUNがお世話になっている番組各所にメッセージを送っていた。楽しく拝見しています、大好きな番組です、KAT-TUNを愛してくれてありがとうございます、これからの放送も楽しみにしています宜しくお願いします、ということを伝えようと思って。文章を作成していて、どの番組にも本当に伝えきれないくらい感謝ばかりが浮かんでくることに気付いた。KAT-TUNは本当に愛されていた。こんなに愛のあるスタッフさんに囲まれてるんだって改めて気が付いた。KAT-TUN自身の人徳も勿論あるんだろうけど、私はいわゆるジャニーズDDに近いところがあるから色んなグループの番組を見てるけどこんなに自分たちが出ている番組から愛されている人たちなかなかないと思った。私は4年半前にファンになってからしばらくの間「KAT-TUNはなかなか番組に恵まれないなぁ」と思っていた時期があった。でも今彼らはこんなに素敵な仲間に囲まれている。今、改めて気が付いた。本当に感謝しかなかった。

 

暗闇の中で、少しずつ、手探りだけれどほんのわずかかもしれないけれど立ち上がる力のかけらを見つけた気がした、そんな一日でした。

やっぱり私は何度考えても何時間悩んでも「4人のKAT-TUNを春までファンとして全力で見届ける」「できるならこれから先もKAT-TUNが見たい」この二つの結論にたどり着くんだなぁと思った。

昨日と一昨日は3時とか4時とかまで眠れなかったけど、今日は少しゆっくり寝られそうです。もう一度じゅんたぐ話を読んでから、寝ようかと思います。