「私が信じた田口くん」の答え合わせをしました――KAT-TUN田口淳之介10000万字インタビュー感想

※MYOJO2016年2月号掲載・KAT-TUN田口くんの10000万字インタビューのネタバレを多分に含みます。まだ読んでいない方はご注意ください。

※あくまでも一個人の感想とファンとしての都合のいい偶像の話です。できれば感想とかのフィルターのない状態で原文を読んでから、この記事をお読みいただければ嬉しいかなと思います。

 

 

ベストアーティストでの田口くんの脱退発表から丸4週間。田口くんの10000字インタビューが掲載されたMYOJOが昨日発売された。

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この記事を書いて以来久々に直接田口くんのことでちょっと泣いた*1。涙目になりながら読んだ。久しぶりに、色々考えてあまり寝付けなくて夜中にも目が覚めた。

感想としては、「やっぱり私はKAT-TUN田口淳之介が好きだ、KAT-TUNとして15年間生きた田口淳之介がこれからも多分ずっと好きだ」ということが一番、かな。この一ヵ月色んな憶測で語られていたことをある程度は答え合わせのようなものが出来て、田口くんの言葉で聞くことが出来て、それをようやくきちんと確信に近いものにできたので、私は読んでよかったと思う。

思っていた以上にMYOJOさんが、田口くんに配慮はしつつも、かなり突っ込んだ質問までしてくれていて、ファンとしてだいぶ痒いところに手の届く内容だった。そして「うーん」とか「……」とかも多くて、田口くんの言葉のニュアンスをできる限り正確に届けようとしてくれていることが伺えた。そのおかげで、田口くんが本当にじっくり言葉を選びながら喋ってくれたことが感じられた。入所時からずっとお世話になっている雑誌ってありがたいなと思った。

 

インタビューは、脱退発表時の心境についての質問から始まる。まずいきなりそこからぶっこんでくるとは思わなかった。あの時、一人だけ静かで冷静な佇まいに見えた田口くん。本当は田口くんも色んなことを思いながら、色んな感情がごちゃまぜの中で話していたんだっていうことが分かって、なんていうんだろう。ほっとした。誠意をもって自分の言葉で直接伝えようとした結果の立ち居振る舞いなのではないかと思って、信じたいと思っていたから、そのようなことを語ってくれていて、やっぱりあの瞬間の田口くんも田口くんだったことを確認できてよかった。

「メンバーが嫌いになっての脱退じゃないんだよね?」という質問にまたドギマギした。そんな単刀直入に!?と。でも否定してくれた。インタビュー中何度も田口くんはKAT-TUNやメンバーとのことを「宝物」「友だち、親友」「絆が強い」「大切なもの」「誇り」なんて言葉で形容してくれた。

インタビューの中で、何度か「赤西くん」「聖」という名前が出てきた。田口くんがその名を口にするのを、久しぶりに見ることができた。特に私は5人時代からのファンだから、でんでんシンメはリアルタイムで見てきた。カツスタ、がつーん等々で二人の凸凹だけど暖かいトークを楽しく聴いていた。素敵な関係性だと思っていた。だから久しぶりに田口くんが「聖」と変わらぬ呼び名で呼んでいるのを見て、もう聞けない言葉だと思っていたから、何だか懐かしくて、それにまたグッときてしまった。

 

quarterでの涙の理由。

私はあの日あの場所にいた。田口くんの涙を見て、一瞬心がざわついた。突然だったから。ほんの一瞬、「田口くん、まさか」なんて思ってしまって、脳裏に嫌な二文字が過ってしまった。「いやまさかそんなわけない、この時期に田口くんがまさか、ありえないでしょ~!w感動しただけだよね!」とすぐに頭の中からかき消した。べスアを見た後、その予感が当たってしまった、と思った。

でも田口くんから語られたのは違った。私の予感は完全に不正解ではなかったけど、完全に正解でもない。よかったと思う。別れの涙じゃなくて感動の涙だったから、よかった。あの時既に田口くんは悩んではいたものの、あの時私たちは田口くんに一方的に別れを告げられていたわけではなかったようだ。

シューイチで中丸くんが「半年間話し合いをして…」と話していたのでてっきりあの時にはメンバーはもう知っていたのかと思っていたけれど、「メンバーのそれ(コンサート前のテンション)を崩したくなかった」から言い出せなかったと田口くんは話していて、なんていうかそれもすごく田口くんだなあと思って…。「メンバーは不安な思いを抱えながらコンサートをしていたわけではない」ということはよかったと思うし、でも「田口くんが一人でそれを抱えながらコンサートをしていた」ということにまた色々思ってしまって、難しい。でも、それもすごく田口くんなんだよなあ、と思う。

 

脱退の意思を告げた時のメンバーの反応。

それもまた、どこまでも私が信じたKAT-TUNの姿だった。

田口くんの将来のことを気にしてくれる中丸くん。"これからだろ"って残念がってくれる上田くん。早くから気付いていたかもしれないけど、引っ張ってきてくれた亀梨くん。三者三様で、全部、私の大好きなKAT-TUNだった。

メンバーからどういう言葉で引き留められたかについて、『俺がそれを言い出すと美談な感じになっちゃうんでズルいと思うんです。』だから他のメンバーのインタビューで聞いて下さい、と言う田口くん。今回のインタビューの感想を少し見た中で、特にざわついているのを見た部分。私はあまり引っかかりはしなかった。ただ、田口くんはズルいなぁ、と思った。それは嫌な意味ではなく。美談になってしまうからと自ら語ることを避けたこと。だから、他のメンバーに託すところ。メンバーにパスを渡せること。田口くんはまだKAT-TUNのメンバーだから、メンバーへの信頼がある、絆があると信じてるから託せたのではないかと、私は非常に都合がいいかもしれない解釈で受け止めた。

『本当に、なんていうか、"ウソついてないよ"っていうことは信じてほしいというか。自分に正直に生きていきたいなとは思って生きてきていて。』

『"こうだから!"と声高に言おうとも思わないですし、自分だけが言いたいこと言ってスッキリしたいということでも決してなくて……』

田口くんはこの脱退劇を美談にするつもりはなくて、メンバーやファンに申し訳ない気持ちも抱えながらの脱退で。今語れることを語れる分だけ正直に語ろうと努めている様子が伺える。都合のいい嘘もつかず、自己弁護も、自己満足的な釈明もせず。愚直だ。田口くんはひどく愚直な人だ。

『アイドルという夢を与える職業は僕には荷が重すぎた。ひとりの男として、もっと自由に生きたいと感じたというか……』

私は田口くんを「天性のアイドル」だと思っていた。笑うと目がなくなると形容されるほど満開な笑顔、きれいな顔立ち、長い手足、美しいダンス、なんだかんだで周りに許され愛される末っ子気質。KAT-TUNの太陽。アイドルという概念を具現化したような、アイドルになるべくしてなった天賦の才がある人だと勝手に思っていた。

その一方で私はアイドルに多くを求めすぎてしまう節がある。「私はアイドルとして生きるアイドルが好きだ」「アイドルたるもの……」なんて思ってしまう。私は人付き合いが苦手で、現実の人間が苦手だからこそ、アイドルは現実の人間らしさを突きつけてくるのではなく都合のいい偶像でいてくれるから好きなように楽しめるのが心地よかった。彼らの人間性ではなく、彼らが職業アイドルとしてどこまで偶像でいてくれるかという点を消費していた。「アイドル」の逸脱の基準はとても厳しい。普通の人間なら許されることでもアイドルだと許されないことは多々ある。その型に普通の青年をはめ込むのだ。歪さが生まれるのは当然の事なのかもしれない。

田口くんは嘘がつけない。愚直な人間だ、と先程も言った。だからこそ、その歪さを敏感に感じ取ってしまうのかもしれない。本当の、人間としての田口淳之介はその少しのずれが気になってしまって息苦しくなってしまったのかもしれない。自分に与えられた役割を、100%全うできないこと。嘘をついてでも笑って楽しいことを喋らなきゃいけないこと。私も昔から変なところでクソ真面目な方の人間だから、私みたいな人間が言うのはおこがましいと分かっているけれど、そういう点に関してなら何だか少し、ほんの0.000000000000001mmくらいなら、分かるかもしれないのだ。

アイドルを続ける上で最も大切なのは、才ではなく、覚悟だったのかもしれない。「アイドルに人生を捧げる」という、「人間としての普通の幸せを捨てる」という、恐ろしく残酷な覚悟だ。アイドルファンとして私は彼らに酷いことを強いていると思う。

でも、それでも田口くんが、仕事が好きかと聞かれた時に『大好きですね』と答えてくれたことが本当によかったと思う。

仕事が好きで、仲間が好きで、いじられキャラは無理してたわけでもなくて、でもその田口くんの言う「歯車」みたいなものだけ少し違う方向に動き出してしまって。仕事も仲間も手放すという選択をして。田口くんは苦渋の決断だとしつつも、前向きな決断だとも話していたけれど、それでもどうにかなる道はなかったのだろうとどうしても考えてしまう。

 

『俺のKAT-TUNとしての歩みは終わる。だけど、KAT-TUNは歩み続ける。』

この言葉に、「あ、田口くんは、本当にもう辞めるんだ」と思った。田口くん本当に辞めるの?ねぇ辞めるのやめよう?この4週間、何度もそう思った。どうにか説得すれば、なにか原因を取り除くことが出来れば今からでも戻ってきてくれるんじゃないかって、もしくは全部悪い夢なんじゃないかって心のどこかでほんの少しだけ思っていた。

でも、田口くんはもう覚悟を決めてしまったんだ、と思った。

俺のKAT-TUNとしての歩みは終わる。世の中にこんなに悲しい、決意の言葉があるのかと思った。

そして田口くんはKAT-TUNは歩み続けると信じている。それは田口くんのKAT-TUNへの信頼だと思った。どんなことがあってもKAT-TUNは歩み続ける。ファンがKAT-TUNの今後を危惧して要望ハガキを送りまくっている中で、それは去っていく人の無責任な言葉ととられるかもしれない。けれど、KAT-TUNはここで終わる人たちではないという、その中でずっとKAT-TUNを見てきた田口くんの絶対的な信頼のように思えた。

 

――例えば10年後、4人で"あのときはさ"って笑い合う姿って想像できる?

そう聞かれて、田口くんは少し悩みながらも、メンバーが誘ってくれるなら僕はよろこんで会いに行きます、と答えた。その言葉にまた泣けた。

昔から引っ越し・転校が多かった田口くん。田口くんにとって一番付き合いの長い友だちはKAT-TUNだ。だから、付き合いが途切れないでほしいな、なんていうファンとして勝手な思いは持っていた。「メンバーが誘ってくれるなら」という前提がつくところにも、「僕はよろこんで会いに行きます」という意思にも、両方泣けた。

それならもう、いっそのこと、もし全員その意思があれば、その時は4人と言わず6人でも、ね。そんなことも思った。

 

『いつまでも、ずっとずっと"We are KAT-TUN"って手を上げた瞬間に見えた景色は、忘れることはないと思います』

10000字インタビューは、この言葉で締めくくられていた。

なんだろうなあ。うん。嬉しいのと、寂しいのと、美しいと思うのと、色々な感情がある。

私は、quarterの5/10公演に入った。それが私にとっても彼らにとっても一番最近のKAT-TUNコンサート。春コンサートの予定が消えてしまった今、多分、田口くんの最後の「We are KAT-TUN」の景色に私は居た。

そのことを嬉しく思うと同時に、私の周りにはquarterの後にKAT-TUNのファンになった人がたくさんいて、その人たちはもう田口くんと一緒に「We are KAT-TUN」と言えないんだということも寂しく思った。今、田口くんのことを想ってくれている全ての人が、田口くんの思い出の中に何万の光の中の一つ、何百回のコンサートのうちの一回でいいから、彼の思い出の景色の中に入れたらよかった。そう思う。私もまだまだ田口くんが見るその景色の中にいたかった。もう一度、が叶わないかもしれないから、私はせめて手紙で彼に大好きだと伝えたくてあの日から何度かファンレターを送った。山ほどの手紙の中の一つでも、田口くんがこんなに愛されていたと知る一粒になれたらと。

 

私は、田口くんに「KAT-TUNを辞めてまで掴み取るものならば絶対幸せになって、幸せにならないと許さないから!」という気持ちと同時に、ちょっぴり「何年か経った時、ほんの少しだけ、KAT-TUNを辞めたことを後悔すればいいんだ」と思っていた。それは意地悪で思っていたというよりは、あんなに大好きだったKAT-TUNを離れて、いつか田口くんが万が一にもKAT-TUNのことを忘れて、KAT-TUNでいた自分を忘れて、「こっちを選んで正解だった」なんて思われるのがつらかった。嫌だった。KAT-TUNであった時間をもし否定されたりしたらと思うと寂しかった。勝手な私のエゴだ。そんな相反する気持ちがぐるぐると巡っていた。

けれど10000字インタビューを読んで、後者の気持ちは消え去った。

田口くんはKAT-TUNとして生きられたことが誇りだと。いつか死ぬ時まで"俺はKAT-TUNだったんだ"を胸を張れると言った。"We are KAT-TUN"の時の景色は忘れることはないと思うと言った。

KAT-TUNの田口くんを忘れたくない、KAT-TUNでいた時間の田口くんだけはずっとアイドルとして好きで居続けていたいと思う私も救われたような気持ちになった。

田口くんの覚悟は私が思っていた以上に固く、そして田口くんのKAT-TUNとしての自意識、KAT-TUNへの愛情も私が思っていた以上に深かった。

 

田口くん。ずっとずっと忘れないでください。あなたがKAT-TUNであったこと。沢山の人に愛されたこと。KAT-TUN田口淳之介として生きた15年間を誇りとして生きて下さい。そして、KAT-TUN田口淳之介を春までも、春が過ぎても、ずっと美しく愛すべきアイドルとして大好きで居続けさせてください。担当、という言葉を使ったことはない私だけれど、KAT-TUNのファンとして、KAT-TUN田口淳之介のファンの一人で居続けさせてください。

そして、一人の青年である田口淳之介として、絶対に絶対に幸せになってください。その素敵な笑顔を絶やさずに生きてください。

パフォーマンスは好きだから続けたいという希望はある、と言ってくれたこと、嬉しかったです。もしその道を続けるならば、KAT-TUNの15年間で磨き上げた武器を、また新たな場所でも輝かせてください。

勿論寂しいです。辞めてほしくなんかないのも本音です。もっと4人のKAT-TUNの景色を見ていたかった、KAT-TUN田口淳之介をずっと見ていたかった。

でもまずは何よりも、10000字インタビューを読み終わった今、改めて、私は声を大にして言おうと思います。

 

KAT-TUN田口淳之介さん。今までもこれからも、私はあなたが大好きです!

 

 

*1:細かい訂正をするなら、母と暮せばを公開初日に観て田口くんのことと重ねてちょっと泣いた