A.B.C-Zが東京に帰った後の大阪の街は、立っているだけで汗をかいてしまうくらいの昨日の暑さは薄らいでいた。
コンサートの後のゆっくりと現実に溶けていく高揚と滲んでくる寂しさは、夏の終わりの気分ときっとどこか似ている。
A.B.C-Zとえび担の今年の夏が終わった。A.B.C-Z Star Line Travel Concertが、大阪城ホールで昨日幕を閉じた。
A.B.C-Zのコンサートの後ってどうしてこう、どの感情よりも先に幸福感が先に来るんだろう。本当に毎年不思議だ。不思議なくらい幸せで、A.B.C-Zが好きだ…!A.B.C-Z最高!という言葉ばかりが出てくる。えびコンの後のTLはいつも本当に幸せそうだ。
個人的な話をする。
私、このツアーを見て、ひとつA.B.C-Zファンとして変わったことがある。
私はコンサートにおいては強火の演出厨で、天井席から見ても美しい演出、細かなところまで練られた構成、あるいはド派手な特効、が大好きだ。ついでに言えば、ドーム厨だ。一番好きなコンサート会場は東京ドームなジャニオタだ。
それとは別に、A.B.C-Zのコンサートが大好きだ。本当に幸せな空間だから。とにかく楽しいから。
でも去年までの私は、正直どこかで、A.B.C-Zに対して将来的に「私が好きなタイプのコンサート=緻密に練られた構成と美しい演出、を作ってくれるグループ」になってくれることを期待していた。アリサマで映像を使った演出や、よく考えられた演出構成を見て、「今」の演出の素晴らしさもさることながら、「未来」の彼らにも思いを馳せた。
でも、何か、それは違うなってSLTツアーを見て思った。
正直、SLTツアーはもっともっといろんなアプローチの選択肢もあったと思う。
旅がテーマのツアーだからもっとコンセプチュアルにしても統一感が出て面白かったと思うし、最新曲のTa5Tは踊らないし、初CDシングルであり比較的知名度の高い・ファンの多いMwは初日でなくなってしまったし。
Rock Your Worldはレーザーバリバリで超かっこよく踊ってくれることを期待してたし、みんな大好きFantastic Rideが花道曲だったし、Revolutionはもっと歌詞のよさを噛みしめる演出で聴きたいと想像していた。
演出厨の私が想像し期待していた演出とは違う部分、たくさんあった。本当だったら、もっとこうしてほしい!と思うところだった。
でもねえ、自分でもびっくりしたんですけど、全然「だから嫌だった!」みたいな文句、全然出てこないんですよ。
「なるほどそうきたか!?」って戸惑っても、その後すぐに「でもこれもいいじゃん…!」ってなる。
で、その理由を考えてみたんです。そして思ったのが、「A.B.C-Zが見据える未来、A.B.C-Zが見せたい"A.B.C-Z"のかたち」が私にとって寸分の疑いもなく信頼できるものであり、そして「A.B.C-ZがA.B.C-Zを取り巻くすべてを愛している」からなんじゃないかなあと。
うまく言葉にできないのだけど、A.B.C-Zはファンと同じようにA.B.C-Zが大好きだしファンと同じ目線でものを見ることができるのと同時に、メンバーだからこそファン以上にA.B.C-Zのことをより遠くまで真剣に見据えているんだと感じる。だから、いちファンの想像の一枚二枚上手をいくし、期待を裏切られてもそこに彼らの愛があるから、期待とは違った形でも大好きになる。むしろ、それが楽しい。「次は何を見せてくれるんだろう」っていつもワクワクする。
だから、私はA.B.C-Zのコンサートに対して、何か他のものを重ねる形で期待をすることをやめる。
未来のことなんてどうなるかわからないけど、今はただ、「A.B.C-Zがつくるものなら間違いない」と思う。本気でそう思えるので、びっくり箱で宝箱みたいな、未知数な彼らのつくる世界をこれからもただただ楽しみに。
私は改めて胸を張って言いたい。
世界一幸せな、唯一無二の、A.B.C-Zのコンサートが私は大好きだ!
A.B.C-Zとの夏が終わるのは寂しい。早く次の夏になってまた騒ぎたい。もちろん、次も夏と決まったわけではないけどね。夏という季節は暑くて本当は個人的にはあんまり好きじゃないけど、夏だ!コンサートだ!と楽しそうにはしゃぐA.B.C-Zを見るのは大好きだから。
でも次の夏をのんびりと待つ暇もなく、次の季節、次の新たな景色はもう目の前だ。本当に、A.B.C-Zのスケジュールが頭おかしい。どうなってるんだと思う。でも、すごく楽しみだ。次はどんな景色を見せてくれるのか。
現在私は大阪から東京に帰る新幹線の中でこれを書いている。あと30分もせずに、この鈍行の新幹線も東京駅に着く。私の夏はもう、本当に終わり。