人間・加藤シゲアキ/職業:アイドル――WORLDISTA加藤ソロ「世界」感想

お題「NEWSアルバム『WORLDISTA』レビュー」

 

「世界」。NEWSのニューアルバム「WORLDISTA」に収録された加藤シゲアキソロ曲。

 

前回のWORLDISTAの記事でソロ曲について触れなかったのは、WORLDISTAの世界について考える上でソロ曲はまた違う文脈を持っていると思ったこと、ソロ曲にまで手を出すと更にまとまらない&時間がかかってしまうと思ったことが大きいのだけれど、もう一つ理由があった。

「世界」の感想、解釈はその時点で私の中にある程度あったのだが、それを気軽にちょろっと書いてブログに上げるのは何となく躊躇われたからだ。何故なら「世界」について語ることは、加藤シゲアキの心の内部を解釈して語ることのような気がしたから。「こうだろう」と思ったものはあってもそれがただの主観で全然違ったら、と思ったら、私の拙い文章で軽率にアウトプットしていいものかと二の足を踏んだ。

 

しかし月刊TVfan2019年4月号のインタビューにて触れられた「世界」の話に、ああやっぱりそういう話だよな、と思えた途端急にアウトプットしたくなったので、こうして衝動的にブログを書き始めた。

(折角なので再びお題お借りします)

やっぱり、と思えたといっても結局私が感じ取ったことでしかないので、ただの一人の新参ファンの「感想」として話半分で読んで頂けたら。

 

私はフラゲ日の朝一番から「世界」を聴いてしまってその後しばらく「世界…………」と頭を抱えていたけど、この「頭を抱える」の意味はネガティブなものではなかった。一番最初は「こ、こうきたか~~~~~~~~~~」と頭を鈍器で殴られたけど(加藤ソロは毎回そう)、でも結論としてはそんな加藤シゲアキが好きなんだよ………というところで、聴いて噛み砕いていく中でひたすら「これだから好きなんだよ…」という感情が増幅していくばかりだった。

 

この曲に思いを馳せる度思い出すものが2つある。

ひとつは昨年末のエッセイ「できることならスティードで Trip9 スリランカ」及びそれに付随するラジオでの言葉。

tk46.hatenablog.com(↑その時に感想も書いた) 

自分に悪意の矛先が向けられたとき、僕はいつも思う言葉がある。「自分に刃を向ける人を抱きしめられる大人であれ」誰かに教えてもらったものではない。自分を律するために編み出した一つの処世術のようなものだった。

(小説TRIPPER 2018 冬号 「できることならスティードで Trip9 スリランカ」)

(「できることならスティードで Trip9 スリランカ」の感想メールに対し)

 (傷つくことを言われたとき、自分に刃を向けられたとき)どうにか受け止める、余裕があれば抱きしめる、というところまでもっていきたい。実現できているかはわかりませんけど。

まぁ気持ちは!大事?(笑)

(SORASHIGE BOOK 2019年1月13日放送)

 

もうひとつは先月放送された密着ドキュメンタリー「RIDE ON TIME」NEWS回最後の小山さんと加藤さんへのインタビュー。その時の言葉と表情。

――アイドルの仕事自体は楽しいですか?

小山「それは好きですよ」

加藤「好きじゃなきゃできないよ!アイドルやれる人って狂ってると思う(笑)」

――アイドルこれからもやっぱりやっていく?

小山「はい」

加藤「勿論」

小山「勿論です」

加藤「覚悟決まるいい年越しだった。またアイドルとしてスタートできる」

RIDE ON TIME 「NEWS結成15周年の覚悟「生きろ」#3 stay gold」 2019年1月25日放送)

 

 

元々リリース前から「四畳半の自分が生きていく世界を表現できたら」とソロについてコメントしていた。そして思い出した直近の加藤さんの言葉たちに、この曲は加藤さん自身のことを歌っていると解釈して大きな相違はないだろうと思っていたのだけれど、TVfanを読んでやっぱりそうかぁと思った。

「この世界で生きていくという一つの宣誓、思い、覚悟」

 

 

「世界」について考える度に、好きだなーーーー、という感情が溢れて終わる。 

青臭くて泥臭くて、迷って悩んで苦しんでという夜もたくさんあるだろう。

アイドルは「性質」ではなく「職業」だ。人生において選択的に手にする肩書き。本当に手放したいと思ったらいつでも手放すことができるものだ。

でもそれでも「アイドルを選び取ろうとし続ける」「強くあろうと自分を奮い立たせる」、能動的にアイドル加藤シゲアキという大きな渦の中に身を投じる一人の人間である加藤シゲアキさん、が好きだ。いや~~~とても好きだ。

 

さっき読み返したら、加藤シゲアキさんを推すと決めたNEVERLANDの時のブログで似たような話をしていた。加藤さんを推したいという感情の起点、今の私と思ってることあんまり変わらなくてびっくりした。

WhiteのDVDを見て、加藤さんが気になった理由っていうのが、「この人、思っていた以上にむちゃくちゃアイドルしてる、アイドル楽しんでる」ってちょっとびっくりしたんですよ。なんていうか、私の中で加藤さんって「アイドルだけど人間」のイメージで。

(中略)

けど、加藤さんはアイドルとして生きていく道を選んで、歌って踊って5万人を熱狂させている。コンサート中、楽しそうに破顔する。ファンにファンサービスする。加藤さんが全力でアイドルしてスポットライトを浴びている姿は、思っていた以上に、キラキラして見えた。

tk46.hatenablog.com

私最近はもう好きなアイドルには「アイドルでいてほしい」以上に「とにかく幸せに生きてほしい」と思っている。もしアイドルであることと、一人の人間としての幸せの追求の両立が難しければ、迷わず後者を選び取ってほしいと思う。これは願いを通り越して祈りに近い。とにかく幸せに心から笑える日々を過ごしてほしい。そしてその幸せというのがもしアイドルの仕事と合致するものであるならファンにとって奇跡のような幸せだなと思う。

 

だけど加藤さんはアイドルという仕事について「好きじゃなきゃできないよ」と笑って言った。「覚悟決まるいい年越しだった」と言った。覚悟。

ああ加藤さんはアイドルの仕事が好きなんだな、本当に自分の意思で、覚悟をもってアイドルを選び取り続けてるんだなと思って本当に嬉しかったし、その言葉を聞けてからもう加藤さんについては「アイドルとして生きることが本当に幸せだろうか…」みたいな重い心配もしていなかった。だから「世界」を聴いて心配とか不安とかネガティブな感情じゃなくとにかく「まったくこれだから!!!好きだよ!!!!!!!!」と思った。

 

ファンが耳にして色々考えながら受け取ってくれると想定済みであろうソロ曲の歌い出しでいきなり「この手に情けない生き様を握りしめ」なんて書いちゃうところも、

「刃を抱く覚悟はあるのかと問いながら歌う」「強くあれと誓い立てる夜」なんて迷いや弱さのようなものも赤裸々に書きつつ、

最後のサビでは「ひたすらに走れ」と歌う。

「求めていたのは愛じゃなかったか 求めていたのは夢じゃなかったか 求めていたのは魂じゃなかったか」って、社会に揉まれる中で忘れてしまいそうな青臭い理想論を手放さずに握りしめて歌詞に込めてしまうその芯の眩しさまっすぐさ、

最後に「貴様が世界だ」と鋭く突きつけるような、強い言葉を持ってくるところ、

全部どこまでも加藤シゲアキさんでそしてそんなところがどうしようもなく好きな私はもうどうしようもないのかもしれないな!!!!!逃げ場がないくらいそういうところの全部が好きなんだな、これがもう。

 

また自分の過去記事を引用するんですけど、あやめで加藤さんに落ちた時私はこんなことを書いていた。

美しい世界を諦めない為の強さ、それこそがあの時東京ドームの真ん中で白い旗を掲げた加藤シゲアキさんという人の人間くさい強さなのではないか。

tk46.hatenablog.com加藤さんのこういうところが好きでこういう部分を信じているの、やっぱり最初から変わってないんだな私。

 

いや~~~今年も色んな意味でめちゃくちゃ「シゲシゲしい」ソロだ。さてこの曲にコンサートでどんな色をつけてくるのか楽しみでこわくて楽しみでならない。

 

アイドルとして生きる人間加藤シゲアキが、好きだ。

私の「世界」感想でした。

 

 

WORLDISTA (通常盤)

WORLDISTA (通常盤)